魔導衛星ユランザ【SUB-JECTiVE ::001 Mechaflloghia Maghistromhia】
注:この記事には筆者の厨二病的な妄想が多く含まれています。
例えば、私とあなたがコイントスで勝負をするとします。
表が出ればあなたの勝ち、裏が出れば私の勝ちです。
当然、あなたは表を出したがるはずです。コイントスだから確率は五分五分のはず…
しかし、弾けど弾けど裏しか出ない。
ユランザとはそういう呪いです。
この度、xyst氏がサークル主を務める OX-project 様の秋M3新譜「SUB-JECTiVE ::001 Mechaflloghia Maghistromhia」に、魔法陣営として1曲出させていただくことになりました。
そしてM3新譜
— OX-project@秋M3 H-03 (@OXproj) 2021年10月24日
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簡単に説明すると、「機械の世界」と「魔法の世界」の終末戦争をテーマに、それぞれの陣営の作曲者が「最強の兵器」を楽曲として表現し、戦わせるというものです。
xyst氏のコンピアルバムには過去何度か曲を出していますが、毎度毎度私好みの厨二世界観を構築できてとても楽しいです。いままでの楽曲は、他民族国家を統べるボス曲だったり、「剣」をテーマにした曲だったりしましたね。
そんなこんなで今回制作したのが、「魔導衛星ユランザ」という曲になります。
魔導衛星ユランザとは何か
先に説明したとおり、このコンピアルバムは各陣営の「最強の兵器」をモチーフに楽曲を提出するものでした。私は魔法側で提出したので、魔法陣営の「最強の兵器」をモチーフに1曲書いた、ということになります。私を含めて楽曲は12VS12の計24曲で構成されており、どれも聴けば「強いな!」と分かる最強の楽曲群になっています。そんな中に混じっていて大丈夫なんだろうか
楽曲名とは別に、「兵器の名前」も設定できます。ですが、私は特にひねらず
楽曲名:魔導衛星ユランザ
兵器名:人工魔導衛星ユランザ
としました。楽曲そのものが兵器の内容を投影しています。
魔導衛星ユランザとはなんなのか。自分のブログなので、このテーマの下で自分の考えていたことを書けるだけ書けたらいいなと思います。
まず、提出にあたって軽い説明書きをすることになっていたので、そこにはこう書きました。
空に赤黒く光る人工の月。
魔導師たちの呪いが込められた、史上最大の「依り代」。
CDとして形になった際には同封のライナーノーツに記載されるっぽかったので、簡潔な説明で「それらしさ」を出しました。
この説明どおり、ユランザとは人工の月を想定しています。自分で描いたイラストの背景に映っている巨大な月です。が、正直これだけだとこいつが何者なのかよく分からないと思います。なので、もう少し詳しい説明をここに残しておこうかと。
魔術師たちの最終兵器といわれて皆さんは何を思いつくでしょうか。とにかく巨大なビームやとにかく範囲の広い攻撃魔法、もいいですが、せっかく魔術師が行く着く終着点を書ける機会なので、もっと「絶望」そのものを体現したかのようなものを書こうかなと。というかそれくらいしないと機械側には勝てない。これは全面戦争なので。そうしたときに、魔術師の一番の強みってなんだろうと考え始めました。
これは私の解釈なのですが、魔術の根源は「脈」です。
魔術師たちは体内の脈から魔力を生み出し(という設定)、それを現世の現象に翻訳することで超常現象を生み出します(という設定)。夢から現へ、というかんじですね。この辺、実は「とあるシリーズ」の影響を受けてたりします。私が。
個人レベルの脈だとできることには限界がありますが、人が集まり、より大きな「脈」が形成できればそれだけ魔術のレベルも大きくなります。逆に、その脈が止まることは、すなわち「死」を意味します。
風水は人間よりも大きな「地脈」を操る魔術です。個人レベルの脈ではなく、より大きな「大地の脈」をコントロールし、「気」を都合の良いように配置しなおすことで、まぁなんというか、バフのようなものを得ます。
と、いうあるんだかないんだか分からない設定の元で考えると魔術師の特性って
・脈を操り
・バフを得る
というところにあるんじゃないかなと思いました。なら逆も然りで、魔力はデバフにも働きかけることができますよね。「呪い」という字は「のろい」とも読みますが、「まじない」とも読めます。古くから、魔術師は「呪い」を操り、良い効果をもたらしたり、悪い効果を与えたりしてきました(多分)。そうした中で、バフもデバフも表裏一体で、通じ合った「魔術的な研究」の根源にあるものだとすれば、最終兵器はそれを最大限に増減させたものこそふさわしいのではないか、という考えにも行きつくわけです。
いろいろ小細工を仕掛けることもできるけど、結局その学問の根源となっているものを最大限に追求したものが一番強いんじゃー!
となるなら、それはそれで面白いよねって話です。
さて、魔術師というものが私の中でどういうものだったのかは置いといて、兵器の説明に入らないとですね。
ユランザは呪いそのものです。先ほども言いましたが、魔術師の根源たる「呪い」を最大限に追求したものです。
「呪術」という学問があったとして、皆さんはその行きつく先はどこになると思いますか?また、それを最大限に悪用しようとするとどうなると思いますか?
私は、「呪術」の行きつく先って「確率操作」なんじゃないかなって思います。
超自然的な力、理論的にはあり得ない力、それを引き起こすのが魔術師なら、それの最たるものって確率を動かす力なんじゃないでしょうか。
それを我々は「呪い」と呼ぶのではないでしょうか。
お腹が痛くなるとか病気にかかるとか、そういった「効果」はあくまで副産物に過ぎなくて、もっと「呪術」という鉱山の本質を掘り進めていくと、最後にぶち当たるのはそこなのではないかな~と思います。
ユランザは人工の月です。実はその内部には、緻密に計算されつくした人工の地脈が眠っています。そう、地上の脈は自然の生成物なので、地脈として扱おうにも制限があります。それなら、
自分たちの都合のいいように流れる超巨大な脈を作ればいいよね
という発想に至ったのが今回の最終兵器です。
脈が大きくなればなるほど強大な力を発揮するようになる。なら、天体レベルの脈で、それが全て魔術師側の都合の良い形をしている脈なら…?
こうして魔術師たちは、空に大きな月を浮かべたのでした。
ゴリ押しにも見える方法ですが、最もシンプルな形で「魔術」の根源を具現化した存在、それが人工魔導衛星ユランザの正体です。
その効果は確率操作でした。それも、ちょっとダイスの出目が良くなるとかそのレベルのものではなく、戦争の命運も握ってしまうほどの確率操作。それが最終兵器の力です。
月の地脈はいわばシステムコードのようなものであり、対抗する勢力の全ての運命が悪い方向に働くように確率を操作し続けます。簡単に言うとデバフをかけ続けます。逆にいうと月ほどデカくしないとそこまでの効力を「記載」するのは無理だったということにしています。
「呪い」の極致に至ったその「月」がある限り、機械側の全ての行動は裏目に出ます。
少しでも爆発する可能性のある兵器は必ず爆発します。開発は失敗し、繁栄は止まり、上向きになることはありません。0.0001%でも失敗の可能性があるものは、100%になります。これ、さらっと言ってますけどとんでもない力だと思うのですよね。やることなすこと必ず失敗するというのは、ビームの破壊より下手したら大きなダメージを与えるのではないでしょうか。
皆さんもちょっと日常生活の中での光景を思い浮かべてほしいです。朝起きて、ベッドから下りれば大きな棘を踏む。ドアが壊れる。いや、家が倒壊してるかもしれない…死ぬじゃん 階段は踏み外し、財布はなくなっている、電気がつかなくなり、直そうと思えば漏電していて感電する。家の中だけでも災厄はいっぱいあるのですが、それが何もかも起こると思うと…どうですか?空に浮かぶ赤黒い月が原因だよと言われたら…
とんでもない「呪い」だと思いませんか?魔術の研究成果としてはもっとも凶悪なものだと思いませんか…?
全ての「かもしれない」を排除していかなければ月に打ち勝つことはできない、チートみたいな力なのですが…
いやでも、これくらいしないと勝てないんですよ……
xyst氏のとこに集まってるメンツはこれくらいしても平気で凌駕してくるので怖すぎる。永遠と語りましたけど、普通にポキっと設定負けする可能性があるのがこのコンピの怖いところです… 「かもしれない」…
長すぎるのでまとめると、魔導衛星ユランザとは
- 人工の地脈を浮かべた魔術師たちの最終兵器
- 魔術師の根源たる「確率操作」を機械側にほどこす
- 機械側の「失敗する可能性のある全ての行動」は失敗する
コイントスで裏が出続けるのは魔導衛星ユランザの効力。機械側はこれを止めることはできるのでしょうか……
と、長く語りましたが、楽曲自体はどこかノスタルジックな、しかし整合性のない、ちぐはぐなものに仕上がってると思います。
語る余力がないんですけど、楽曲自体は月にすべての現象、理などを教え込んでる魔術師たちの「詠唱」のような形になるように仕組みました。明確な「脅威」として荘厳にそこに存在するよりは、この世の全てを内包したような、そんな世界観が「再現」できればいいなと思っています。だからちょっとエモいところもあります。
「のろい」と「まじない」は紙一重なんだよというところが、曲にも表れてたら嬉しいです。
結構異質な一曲になったんじゃないかな~と思うんですけどどうなんでしょうか。
最後に、今回コンピアルバムに楽曲を提供させていただいたxyst氏およびOX-project様にお礼申し上げます。
楽しかったです!